税務調査体験事例

クラウド会計の罠? 

私が税理士業界に入った20年ほど前は経理といえば、手書きと会計ソフトの2択で、徐々にインストール型の会計ソフトを導入してご自身で帳簿を作成される方が増えてきたイメージがあります。

そして最近では会計ソフトをPCにインストールせずにクラウド上で会計処理を行うことが出来るクラウド会計を利用する方が増えています。

クラウド会計は領収書を画像で読み込んだり、請求アプリ、エアレジ、クレカ、ネットバンクなどと連動設定を行えば、自動又は半自動で会計処理を行ってくれ、ネットに繋がる環境があれば作業はどこでも出来るため、最近ではインストール型よりも導入する方が増えていると思います。

このように上手に使えれば経理の手間を大幅に減らすことが出来るクラウド会計ですが、便利である一方、落とし穴も存在します。

それは会計や税金の知識がない方が使用した場合、間違いに気が付かずメチャクチャな決算書が出来上がってしまうことです。

税務調査の相談にいらっしゃる方でクラウド会計を利用している方の多くは決算書のうちほとんどの場合で貸借対照表がメチャクチャな状態となっています。

酷いものだと勘定科目にマイナス残があったりします。

そのような決算書を提出することは「私の申告書は間違ったものですよ!!」と税務署にアピールしているようなものです。

クラウド会計を利用した経理処理は作業時間を短縮してくれるため利用すべきです。

しかし、すべてが自動で計算されるわけではなく、修正を小まめに行いながら作業をすることが重要です。

テレビCMで宣伝されているような自動ですべて経理作業が終わることはあり得ません。

確定申告を行う際は誤りをしっかり是正したもので申告を行わないと税務調査の選定先として選ばれやすくなるため注意しましょう。

ひらい
ひらい

【まとめ】

最近、クラウド会計を利用した申告書類の誤りが原因と思われる税務調査が増加しているように思えます。

テレビCMなどで自動で経理といっていますが、自動経理されたものだけで決算書や申告書が出来上がることはありません。

決算書は税金計算だけでなく、銀行融資にも重要な影響を与えるものです。

確定申告書を提出する前に決算書の内容をしっかり確認しましょう。

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