不動産投資・不動産賃貸業業種別税務調査ポイント

不動産投資に対する税務調査(7つのポイントと実際の指摘事項)

最近はサラリーマンの個人投資家が不動産投資を副業として行うことが増えています。

それに伴い、弊所にも不動産賃貸業(不動産投資)に対する税務調査のご相談も増えています。

 

そこで、今回は実務を通じて不動産賃貸業に対する税務調査で税務署から指摘されやすいと感じている7つの項目と実際の指摘修正があった事項を合わせてご紹介したいと思います。

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収入について

税務調査において、どんな職種であれ、必ずチェックされるのが売上です。

不動産賃貸業も例外ではありません。

家賃そのものがしっかり計上されているか否かは勿論ですが、計上漏れを起こしやすい自動販売機の収入や電柱、アンテナ基地、看板などの副収入も狙われやすいため注意しましょう。

また、テナントへ貸している場合などは契約書に保証金の償却条項が入っている場合があり、契約時に保証金の返金義務がなくなることから収入として計上する必要があるにもかからず、収入計上漏れが発生している場合も間違いが多い事項です。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 自主管理を行っており、入金していた金額のみを収入計上を行っていた。(家賃の遅延や滞納分の計上漏れ)
  • 契約書に保証金の償却条項が入っていたにも関わらず収入計上をしていなかった。
  • 簡易課税を選択している事業者において修繕費を敷金相殺しており、相殺額が課税売上から漏れていた。
  • 消費税の課税事業者が物件を譲渡した際、建物の譲渡対価を課税売上に計上し忘れていた。

土地・建物の按分誤りに伴う減価償却

土地建物の案分

税務調査において土地と建物の按分についても問題になりやすい論点です。

契約書で土地・建物の金額がそれぞれ記載されている場合や消費税の額が記載されていれば土地・建物の金額は容易に按分ができます。

しかし、基準となる金額記載が契約書にない場合には自分で取得価額の算定を行う必要があります。

一般的には以下のような基準により算定を行います。

  1. 固定資産税評価額の比率
  2. 土地の価額を公示地価等を考慮し算定。取引総額から土地価額を控除し建物価額を算定
  3. 建物価額を再建築価格等を考慮し算定。取引総額から建物価額を控除し土地価額を算定

 

ここで注意すべきは1~3はあくまで契約書等により土地・建物の価額がわからないときに利用する方法であるということです。

契約書に記載があるにも関わらず、自分で勝手に按分計算をしないようにしましょう。

 

仲介手数料や固定資産税の精算金

物件取得時に不動産会社へ支払う仲介手数料や商慣習として取引相手に支払う固定資産税の精算金について土地、建物の取得価格に含めずに必要経費として誤った処理をしているケースも散見されます。

仲介手数料や固定資産税の精算金は土地・建物の取得価額に含めなければならないことを覚えておきましょう。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 譲渡契約書に土地建物の金額が記載されているにも関わらず、自身で土地建物の比率を案分して過大に減価償却を行っていた。
  • 仲介手数料や固定資産税の精算金を取得価額に含めず費用処理していた。
  • 火災保険や地震保険等を数年分まとめて支払っていたが、支払った全額を必要経費に算入していた。

 

資本的支出と修繕費

資本的支出か修繕費かの区分は、工事内容により判断が難しい場合も多く、実務上問題になる論点です。

一般的にはその工事により建物の存続年数が延長された又は建物の価値が増加される場合には資本的支出となり、減価償却を通じて必要経費に算入します。

建物の維持管理が目的なものであれば必要経費になりますが、支払金額が20万円以上で材質を変更したり、付加工事を行う場合には必要経費とはならず資本的支出となるため注意が必要です。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 物件に対して付加工事を行ったにも関わらず、全額を修繕費として費用処理していた。
  • 自宅の修繕費を誤って必要経費に算入していた。

同一生計親族に支払う経費

給料

親族に物件の清掃を依頼し、その費用を不動産所得の必要経費に入れている申告書をよく目にします。

しかし、その親族が同一生計の場合には必要経費に算入することは出来ません。

また、青色申告を行っている個人が同一生計親族に対して給料を支払う場合、青色専従者給与に関する届出書を税務署に届出をし、専ら事業に従事している等の要件を満たした場合にのみ、その届出書の範囲内の金額を必要経費とすることが出来ます。

 

税務調査では、事業専従者が日々どのような仕事を行っているかをしっかり確認されます。

日頃からどのようなことを業務として行っているのかを明らかにできるようにしておきましょう。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 保有物件の管理については管理会社が入っており、管理契約内容上は清掃業務が入っているにもかからず、事業専従者が行っていたことは清掃業務であると主張。
  • 事業的規模の青色申告者が同一生計親族に給与を支払っていたが青色事業専従者給与に関する届出書の提出を失念していた。
  • 事業的規模の青色申告者が同一生計親族に給与を支払っていたが、青色事業専従者給与に関する届出書に記載した金額以上を給与として支払っていた。(変更の届出を失念していた)
  • 同一生計親族の敷地にアパートを建築。その親族に対して地代を支払っていた。(同一生計親族に対する地代家賃は必要経費にはならない)

青色申告の特別控除

不動産所得における青色申告特別控除は大きく分けて65万円(55万円)と10万円の控除に大別されます。

65万円の控除は事業的規模の要件(5棟10室基準)を満たしている必要がありますが、この基準を無視して65万円控除をとってしまっている申告書を稀に目にします。

 

事業的規模の判定は65万円控除以外にも専従者給与の適否や建物取壊時の損失計上、貸倒損失の処理等にも影響するため注意が必要です。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 事業的規模を満たしていないにも関わらず65万円控除を適用していた。(帳簿作成義務も満たしていなかった)

 

車両の減価償却(家事按分が必要な経費)

不動産所得の計算上、車両についても減価償却を通じて必要経費に算入させている場合も多いかと思います。

しかし、税務調査の際は、車両が不動産所得を得るために本当に利用されているか否かについての説明を求められるため、しっかり説明できるようにしておきましょう。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 車両を事業以外に利用していたにも関わらず全額を必要経費に算入していた。
  • 事業の用に供していた車両の売却について供用部分の譲渡を総合譲渡としていなかった。
  • 自宅兼賃貸物件を所有していた納税者について、電気や水道料金の合理的な按分がされていなかった。

 

借入利子

融資を受けて物件を購入している場合、金融機関への返済支払いのうち必要経費に算入できるのは金利部分だけです。

また、築古物件などを融資を受けて購入し、早期の減価償却などを実施した結果、不動産所得が赤字になる場合、損益通算を行います。

しかし、このような場合は土地に係る負債利子は損益通算の対象から除かれます。

土地に係る負債利子の金額も含めて他の所得と通算してしまっている場合には指摘事項となってしまうため注意が必要です。

 

(実際にあった指摘修正事項)

  • 融資にて物件を購入しており、給与との損益通算に土地に係る負債利子分を算入させてしまっていた。
  • 元金と利息の合計額を支払利息して必要経費に計上していた。
  • 自宅兼賃貸物件を融資にて建築。自宅部分に相当する利息も必要経費として処理していた。

 

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