業種別税務調査ポイント

接骨院・整骨院の税務調査

接骨院の収入は窓口での患者さんからの現金収入、クレカ決済など以外にも保険請求、自賠、労災などもあり、経理は意外に複雑です。

また、業務内容も多岐に渡るため消費税の計算も複雑になりがちです。

そこで今回は柔道整復師の国家資格を有して接骨院・整骨院を開業している方へ税務調査が実施される場合にはどのような事項が指摘されやすいかをご紹介します。

現金売上

売上はどの業種においても最重点チェック項目です。

特に接骨院・整骨院の場合は日々の現金売上の管理がどのように行われているかが必ずチェックされます。

保険請求収入等は保険請求を代行している組合などへレセプトを提出するためのシステムや書類などから売上把握は容易です。

しかし、窓口現金売上は日々管理をしていない場合には把握が困難になります。日頃から窓口現金売上の計上漏れが発生しないように注意が必要です。

保険請求収入の計上時期

社保、国保への請求を組合などに依頼している場合には、特に入金までに時間がかかります。

また、労災、自賠責保険なども同様で施術を行い、請求を行ってから入金までに時間がかかりますし、再請求などもあるため、実際に施術を行ったときから随分経過したあとに入金があるのもこの業種ならではです。

税務署もそのあたりのことはしっかり認識しており、売上計上時期についてはしっかり確認してきます。

返戻や再請求もあるため、実際に入金した段階で売上計上したほうが経理が楽だと考えてしまいがちですが施術をした月に売上として計上を行う必要があります。計上時期を誤ると売上計上漏れ(期ズレ)が発生してしまいます。

保険請求資料などから施術月に売上が計上できるようなに仕組を整えましょう。

消費税に関する注意点

一般的な接骨院や整骨院の収入は、保険請求収入と自費診療等に大別されます。

保険請求収入は消費税の対象取引とはなりませんが、自費診療等については消費税の対象取引となります。

収入について課税収入と非課税収入を明確に区分されていない場合には納税義務の判断を誤るり無申告状態となってしまい、多額の付帯税を負担することになります。(特に窓口での売上は日々の管理が欠かせません。)

更に簡易課税制度を選択している場合には業種区分についても以下のように明確に区分しておく必要があります。(明確に区分がされていない場合には納税額が多くなる方法にされていまします)

(売上の種類と消費税区分)
保険診療収入 非課税
自由診療収入 課税(第5種)
自賠責診療収入 非課税 ※
物品販売収入 課税(第2種)保険診療収入 非課税
車両等資産売却 課税(第4種)