税務調査立ち合いに関するご相談を頂き、面談する中で意外に多いミスに売上の計上漏れがあります。
今回は、知っていれば防げる売上計上ミスについてご紹介したいと思います。
税務調査に関するご相談
売上の計上基準とは
突然ですが、あなたに質問です。
売上の計上基準は、次のどれでしょうか?
① 業務を完了したとき
② 相手に請求書を出したとき
③ 相手から入金があったとき
答え。①が売上計上基準として正解です。
②でも個人事業主の場合には掘り下げてチェックする場合は少ないかもしれません。
ただ、③の場合には税務調査で指摘されてしまう可能性が大です。
税務調査に関するご相談を頂いた際に、③の現金主義を売上計上基準としてしまっている方は非常に多いです。
売上は発生主義。売上計上漏れに注意。
売上は、簡単にいうと業務が完了し請求書を提出が出来る状態になったときに計上しなければなりません。
これを「発生主義」といいます。
これはとても重要なルールです。
この「発生主義」を知らずにお金を受け取った段階で売上計上を行う「現金主義」にて申告をしてしまっている場合があります。
年度をまたいで入金がある場合などは、税務調査で売上計上漏れを指摘されることになります。
売上と費用は両方とも同じ年度に計上されているか?
会計のルールには費用収益対応の原則というものが存在します。
収益(売上)に対応して費用(原価)も同じ会計年度に対応させなさいといったルールです。
以下のような簡単な事例を考えてみます。
・ A工事の工事売上 100万円(令和2年1月に工事完了。請求)
・ A工事に対する外注費 30万円(令和元年12月に業務完了・支払い済)
- 誤った処理
売上は令和2年に入金のため令和2年に売上計上。ただし、外注費は令和元年に支払っているため、令和元年の経費として計上。
これでは、収益と費用が同じ会計年度に計上されず、費用と収益が対応しないことになってしまいます。
そのため、税務調査では指摘事項とされてしまいます。
- 正しい処理
売上は令和2年に計上。外注費は支払ったときには仕掛品(棚卸資産)として計上して経費算入させずに、翌年の令和2年になったときに費用処理する。
税務調査で指摘された場合の影響
発生主義ではなく、現金主義にて処理されていた場合には、売上の計上漏れを指摘されることとなるため、過少申告加算税と延滞税が賦課されます。
ただし、翌年度にしっかり売上計上がされているような状態(期ずれ)であれば、売上除外とはならず、重加算税の賦課はありません。
注意すべきはは消費税です。
売上が1000万円弱の場合には消費税の納税義務判定を誤って判断してしまっているケースがあるからです。
このような場合、消費税は無申告状態となっているため、加算税と延滞税の負担が重くなってしまうため注意が必要です。
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