家庭用エアコンや業務用エアコンなどの取り付け、取り外しを行っている個人事業主に対する税務調査については近年税務調査の割合が多くなっているようです。
そこで、今回は冷暖房設備工事業者に対する税務調査で論点になることを実経験をもとにご紹介したいと思います。
【 参考 】
管工事とは以下のような工事が該当します。
冷暖房設備工事・冷凍冷蔵設備工事・空気調和設備工事・給排水・給湯設備工事・厨房設備工事・衛生設備工事・浄化槽工事・水洗便所設備工事・ガス管配管工事・ダクト工事・管内更生工事
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税務調査による所得漏れ
国税庁は毎年個人の税務調査について、申告漏れが多くあった業種を発表しています。
平成29年の事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種を示したものによれば、管工事業は申告漏れの額も1件あたり、1246万円とかなりの高額で、第7位にランクインしています。
申告漏れ所得金額が多い理由
統計情報の中身はわからないので想像を脱することは出来ません。
しかし、同業種の税務調査をいくつか受任させて頂き思うことがあります。
それは、他の建設業と比べ、売上代金の回収が特殊ということです。
売上代金を現金で回収するデメリット
通常の建設業であれば、売上代金の入金は多くの場合、振込です。
しかし、冷暖房設備工事の場合、意外にも現金売上が多いのではないでしょうか?
お客様のところに訪問し、工事代金を受け取り、その受け取った金額と業務依頼をした会社からの売掛金とを相殺するようなケースが多くみられます。
現金売上の把握は日々の管理が非常に重要なため、本来であれば現金出納帳をしっかりつけておく必要がありますが、日々の多忙さからなかなか難しいようです。
現金の支払いが多くなることによるデメリット
現金での売掛金の回収が多くなると、自ずと現金での支払いも多くなります。
日銭が入ってくるため手許に現金をもっている状態となり、わざわざ銀行にいき、振込手続きを行うことをしなくなってしまうのが原因のようです。
現金での支払いでも、資料をしっかり保管していれば良いのですが、意外に紛失してしまっているケースも多く、いざ税務調査というとその立証が難しい場合も出てきます。
税務調査で指摘事項としてあげられる代表的な項目
冷暖房設備工事を行っている個人事業主に対し税務調査が実施された場合、指摘事項としてあげられる代表的な項目は以下のようなものです。
- 現金売上の把握
- 現金支払いの領収書管理
- 親族給与の妥当性
- 外注費と給与の区別
- 消費税の納税義務判定
上記の多くは個人事業主に対する税務調査で一般的な項目です。
しかし、上記でも述べたとおり、現金売上の把握についてはしっかり把握をしておくべき事項です。
実際に税務調査に立ち会いをさせて頂いた事案でも、親族が本人に代わり確定申告を行っており、代金回収の仕組みを理解せず、口座に入金した金額のみを売上高と勘違いして申告をしてしまい、多額の税負担が発生してしまったケースも存在します。
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