せどり無申告税務調査体験事例

ネットビジネスに対する税務調査。収入はしっかり把握されている!?

最近、個人事業主の税務調査について相談を受けているなかで、相談者の業種で多いと感じているのがネットビジネスに対する税務調査です。

ネットビジネスというとアフィリエイト、ブログ、YouTube、ネットショップ・ECサイト・インスタなど広範囲でそんなこともビジネスになっているのかと感心するものもあったりします。

ただ、ネットビジネスは手軽に始められ、インターネット上でほとんどのことが完結する事業のため、無申告でもバレないと安易に考えてしまう方も一定数いるようです。

ネットビジネスの無申告は危険

ネットビジネスの特徴は取引の記録がオンライン上に明確に残っていることにあります。納税者自身が記録を保存していないくてもプラットフォームを提供している事業者には詳細な記録が残っています。

税務署は電子商取引専門調査チームを設けて、ネット上の取引に関する情報収集を行うとともに、プラットフォームを提供している事業者に対して税務調査を頻繁に行い情報を入手しています。

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実際、税務調査に立ち会いをしていると調査官が明らかに売上が漏れていることを事前に詳細に把握している場合があり、あなたの情報もしっかり把握されていると見て間違いありません。

ネットビジネス専門の調査官(情報技術専門官)とは?

ネットビジネスを行っている方への税務調査は一般の調査官ではなく、情報技術専門官という専門の調査官が来ることがあります。

情報技術専門官はITやネットなどに通じた税務調査官でアフィリエイトやネットオークション、ネット販売などのネットビジネスを中心に税務調査をしています。

税務署職員

情報技術専門官はどの税務署にも配置されているわけではなく、各国税局が定める基幹署の中で選ばれた税務署にだけ配置されているようです。

IT関連の知識や技術が豊富なうえ、日々ネットビジネスを中心に税務調査をしているので、非常に手ごわい存在といえます。

税務調査に選ばれないようにするには?

売上をごまかす、事業に関係ない経費を入れ込むなど脱税をしている場合には税務調査があっても仕方がないと思いますが、税務調査の相談を受けていると本人はいたって真面目に申告を行っているつもりなのに税務調査に選ばれている場合があります。

間違いは収入計上に多く見られます。

以下ではどのような間違いが多いのかご紹介します。

売上計上時期の誤り

売上の計上時期を誤ってしまうのはネットビジネスに限った話ではありません。よく目にするのは、お金が入ったときに売上として計上しているケースです。

会計上の考え方は役務提供をしたときとなります。年度末に一括して請求をあげるような場合には金額も大きくなるため特に注意が必要です。

売上計上の金額の誤り

売上計上金額の誤りも非常に多くある間違いです。

例えば、せどりやネットショップなどの物販事業をしている場合、商品が売れた金額からシステム手数料や広告手数料が差し引かて入金されてきます。

本来、売上は商品の販売金額であり、システム手数料や広告手数料を差し引く前の金額となりますが、売上計上の金額を入金額だと誤って理解して確定申告を行っている方が多くいます。

売上計上金額の把握は所得金額は変わりませんが、消費税の納税義務判定や納税額に影響してくるため注意が必要です。

共同経営をしている場合・ショップを人に任せている場合

共同でネットショップを経営している場合やショップを人に任せている場合も調査対象として選ばれやすいといえます。

共同経営等を行っている場合、各人の利益配分割合に応じた売上額が計上されている確定申告書が作成されていることがあります。しかし、税務署は上記で述べたとおり、ショップの全体の売上を把握しており、かつ、ショップの代表者(契約者)の売上と認識しています。

共同経営等の状況をしっかり説明しても税務署サイドとしてはショップの所有権が契約者である代表者であるため、売上の全額は代表者のものであると指摘してきます。

消費税の納税義務や納税額に大きく影響する場合があるため注意が必要です。

【まとめ】

ネットビジネスでは売上の額を税務署がしっかり把握しているため、申告した売上の金額と税務署が把握している金額に差が生じている場合に税務調査になりやすいと考えられます。

税務署が把握していると予測される売上と大幅に異なるような場合には確定申告にコメントを残すなど工夫をするとともに正しい確定申告を行うことを心がけましょう。

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