過去2年はコロナの影響により、本格的に税務調査が実施された期間も短い期間でしたが、令和4年はお盆休みを過ぎ、税務調査の最盛期に入ってきた印象です。
弊所でも税務調査に関するご相談を多数いただいていますが、その中で立て続けに同じような申告書の誤りがありました。

事案としては埼玉県北葛飾郡松伏町在住のサラリーマン兼大家のAさん。
埼玉県北葛飾郡松伏町は私の事務所がある越谷市のとなり町であり、「まつぶし緑の丘公園」の丘のうえに日の出を見に行ったり、お客様が多数いる地域でもあるためAさんもご紹介で弊所に相談にいらっしゃいました。
今回はその際の打ち合わせ内容を会話形式にてお伝えします。
※本事案はお客様の了承を得たうえで個人の特定ができないように概略のみとして内容の一部を変更してご紹介しています。
税務調査の相談事案 (不動産賃貸業)
相談者:Aさん 家族構成:Aさんと母が同居 Aさんは独身
申告内容:不動産収入600万円 給与収入700万程度

今度、税務調査が実施されることになり相談に来ました。
電話で指示を受けた過去の確定申告と資料をもってきましたので
確認をお願いします。

有難うございます。
それでは確定申告を拝見しながら質問をさせて頂きます。

はい。
過去のことなので覚えている範囲内でお答えします。

物件の保有状況、融資の有無、車の使用頻度、そのほか金額が多い経費の内容などを教えてください。

物件は数棟あり、100%私が所有しています。
購入資金については一部自己資金で残りは金融機関から借りています。
車については100%経費に計上しています。
その他の経費については、あまり思い出せないのですが、一部経費としては難しいものをあるかも知れません・・・。

車は個人の税務調査では指摘事項としてよくあがってくるものですから、物件確認などのために使用していたとしても家事利用分は控除しろと言われると思います。
また、ざっくり拝見すると経費も難しそうなものがいくつか見受けられますね。

そうですね・・・・・。
経費に関しては領収書があれば良いものだと自分本位に考えてしまっていたところはあると思います。
あと遠くの物件を見に行く次いでに遊びにもいっていのですが、そのような領収書も経費に全部入れてしまっていました。

本来、不動産賃貸に関わるものだけが経費となるものですから今後は考え方を改める必要がありますね。
ところで、3年ほど前に購入した物件については土地建物の按分に違和感がありますが、どのように按分を行いましたか?
あと青色決算書を拝見すると地代家賃をお母さんに支払っているようですがAさんの住所とお母さんの住所は一緒ですよね?

3年前に購入した物件は中古物件で土地建物の按分は固定資産税評価額の比率で按分をしました。
地代については中古購入した物件以外は母の土地のうえに私が建物を建てたため、家に入れているお金の一部を地代として計上しました。
あと私は独身で母とは同居しています。

なるほど・・・・。
まず、土地建物の按分ですが、契約書を拝見すると消費税が記載されています。
契約書に消費税の記載がない場合にはAさんのおっしゃる通り固定資産税評価額の比率で按分していれば良いと思いますが、消費税が契約書にのっている場合には消費税を割り返して建物価格を計算することになっています。
そのため、申告書上に記載されている建物価格は本来よりも大きな金額となっていて過大に減価償却を計算してしまっていることになります。

次にお母さんへ支払っている地代?については原則必要経費とはなりません。
地代として賃貸借契約をしている場合には、そもそも借地権の贈与などに話になってしまいますし、支払った地代については同一生計親族への支払いとなり所得税では届出をした専従者給与などを除き経費にならないことになっているんです。
そして同じ屋根の下に住んでいる場合には原則生計一と考えられ、生計一ではないと主張することはかなり困難です。

そんなことがあるんですね。
私は毎月支払っているので一部は経費で良いものかと思っていました。
なかなか厳しい調査になりそうで心配ですが、自分がしてしまったことというのもありますので税務調査にはしっかり協力して取り組みたいと考えております。

そうですね。
色々勘違いがあって行ってしまったことが多いようですから、そのあたりを調査官にしっかり説明したほうが良いと思います。
