税務調査の立ち会いをしていると調査終了が見え始めてきたときに調査官から、

今後の申告は誰がどのように行う予定ですか?
と聞かれることがあります。
実は、この質問に対する返答は意外に重要です。
税務調査では調査官から様々なことを質問されますが、特に問題がある申告を行ってしまった場合には必ずといってよいほど、この質問がされます。
調査官によっては今後は税理士さんを付けてくださいという人もいるほどです。
では、なぜそんなことを言ってくるのか?
それは税務調査が行われる重要な目的の一つに、税務調査を行った結果、その後は適正な申告が見込めるようになることがあげられるからです。
そのため、調査官としては税務調査だけ税理士に依頼し、その場だけを上手く切り抜けようとする納税者に対しては、今後の適正な申告が見込めない可能性もあり、その目を少しでも摘むため、厳しい調査をする必要があるのです。
特に税務調査の最終決定権をもつ統括国税調査官は、調査後の申告について注視してくる人が多い印象です。
統括国税調査官は、管理職として上席国税調査官以下の調査官を指揮し、通常は調査に直接出ることは少ないのですが経験が浅い調査官のフォロー、重大案件、複雑な調査が必要な場合には責任者として出てきます。そして統括官と最終の詰めを行う際に、今後の申告を誰が行うかは必ず聞かれる事項といえます。
この際、必ずしも税理士へ依頼すると言う必要はないとは思いますが、税務調査後の申告をどのように適正に行っていくかを話せるようにしておくことが望ましいでしょう。
税務調査により、間違いがあれば是正し、その間違いが起きないように今後どのような対処をする予定であるかを調査官に示すことは重要であるということは頭に入れておく必要があります。