法人税無申告税務調査に関する基礎知識

法人税が無申告の場合の影響と対処方法②

納得前回は法人が無申告の場合、税務上のデメリット及びその他融資や取引にも影響が及ぶ場合があることをご紹介しました。 

今回は、それでは、無申告の場合、どう対処していけば良いかをご紹介したいと思います。 

過ぎてしまったことはどうしようもありません。 

現状を打破するため、どう行動すべきかを把握し、対応しましょう!!

なるべく早めに無申告状態を解消

 当たり前のことですが、とにかく早めに無申告状態を解消しましょう。

時間が過ぎれば、附帯税もかさんできます。 

また、一番困るのが資料の収集です。 

実務をやっていますと、過去になればなるほど、資料の収集が困難になってきます 

資料がなければ正しく決算が出来ず、余計な税金を支払うことにもなります 

思い立ったが吉日、まずは、相談だけでもしましょう。 

早めに無申告状態を解消した場合の特典

税務調査からの解放

早めに無申告の状態を解消すると、いくつかの特典があります。 

無申告加算税がかからない場合 

条件はかなり限られてはいるものの、うっかり期限後になってしまった場合にはすぐに対処することにより、無申告加算税を賦課されない場合もあります。 

申告期限ぎりぎりで申告期限まで決算手続きが間に合わないような場合には、要件を満たすように多めに税金を納付をしておき、その後1月以内に期限後申告をすることも対処方法の一つとなります。(多く納めてしまった分は後から却ってきます) 

(参考:国税庁HP NO2024 確定申告を忘れたとき )

期限後申告であっても、次の要件を全て満たす場合には無申告加算税は課されません。

その期限後申告が、法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。

期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。

なお、一定の場合とは、次のいずれにも該当する場合をいいます。

・その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。

・その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。 

自主申告による無申告加算税の減額

無申告加算税が課される場合、以下の3つのケースが想定されています。 

調査通知前の自主申告

調査通知後の更正予知前での自主申告

調査による更正予知後 

実はそれぞれ加算税の率が異なります。 

以前は①②の加算税の率が同率であったため、税務署から連絡が来たら出そうと考える方が一定数以前はいました。 

そのため平成28年の税制改正により、更正予知前でも調査通知がきた場合には、以下のような率へ変更となりました。 

調査通知前の自主申告 5%

調査通知後の更正予知前での自主申告 15%(50万円未満の分は10%)

調査による更正予知後 20%(50万円未満の分は15%) 

改正により、調査通知がきてから慌てて期限後申告を行っても加算税が重くなります 

期限後申告は調査通知が来る前に自主申告をして、加算税の負担を減らしましょう。

青色申告の届出を再度提出しよう。

青色申告は繰越欠損金の引継ぎや税額控除など、様々な特典があることは前回ご紹介したとおりです。

しかし、無申告が2年続くと青色申告の承認は取り消されてしまいます。

そのため、数年間、法人税の申告をされていない状態が続いている場合、白色申告にて法人税の申告を行うこととなってしまいます。 

そこで、期限後申告を行う際は、その申告と一緒に青色申告の届出を再度提出しましょう。

なお、再提出する場合には、最短で翌期から青色申告での申告を行うことが可能です。(ただし、税務署の承認がされる場合に限ります) 

場合によっては事業年度変更などを行い対応すると良いと思います。