事前通知と調査通知。名称は似てるが意図は全く異なる。

 

納得

納税者が自分に税務調査が行われることが一般的にわかる時期は、税務署から通知が来た時点です。

実はこの「通知」は税務調査で重要な意味を持ちます。

特に国税通則法が改正され、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税については、調査通知をされた後は、加算税の率が異なることとなったため、どの時点で調査通知を受けたかは非常に重要です。

事前通知・調査通知導入の背景

「調査通知」と似たような名称の「事前通知」という制度があります。

この制度は平成23年税制改正により導入された制度です。

事前通知は手続きの透明性を確保する観点から11項目について納税者へ通知する制度です。(改正前は法整備がされていなかった)

これに対し、調査通知は全く意図が異なります。

平成28年税制改正により加算税の一部が改正されました。

この改正は、調査通知後から更正予知前について加算税の賦課割合を重くするといったものでした。

この改正の意図は、当初申告により故意に過少申告を行い、万が一、事前通知を受けた場合にだけ修正申告を行うといった確信犯的な過少申告が防止するためです。

では、なぜ「事前通知」ではなく、「調査通知」なのかというと、調査通知で納税者に通知する項目は3項目のみでよいとされているからです。

これが仮に「事前通知」の場合だと11項目であるため、通知までに相応の時間がかかってしまい、修正申告提出の時間的余力を与え、過少申告加算税を賦課出来なくなってしまうわけです。

事前通知と調査通知の比較

事前通知と調査通知を比較してみると、その違いは一目瞭然です。

制度  事前通知 通則法74条の9・施行令30条の4 調査通知 通則法65⑤ 施行令27③
制度目的 手続きの透明性を図る 加算税賦課要件のトリガー
通知内容 以下の11項目 以下の3項目
①実地調査を行う旨 ①実地調査を行う旨
②調査対象期間 ②調査対象期間
③調査対象税目 ③調査対象税目
④調査開始日時
⑤調査場所
⑥調査目的
⑦調査対象となる帳簿書類等
⑧納税者の氏名、住所
⑨調査を行う職員氏名・所属官署
⑩日時・場所は変更が可能である旨
⑪通知がされなかった事項についても

非違が疑われる場合には調査が可能

であること

一般的な通知方法 書面にて行われる。 電話等口頭で伝えられる。(

※ 調査通知は電話により行われるが、通知後、書面等で通知されることはありません。

ただし、国税内部ではチェックシートに通知事項の記入を行い、通知状況を管理しているようです。