【事案概要】
草加市で建設業(一人親方)を営んている方から、税務調査立ち合いのご依頼を頂きました。
来所された際に、確定申告書の提出の有無を確認したところ、住民税の申告書のみされており、住民税の申告自体を確定申告と勘違いされている状態でした。
そのため、現在は無申告状態となっていること、無申告状態の場合のペナルティなどをお話しし、税務調査の対応策を検討することとなりました。
※本事案は、匿名にて概略のみをブログでご紹介することをお客様のご了承の上、紹介させて頂いております。※
無申告状態は非常に危険
税務署は無申告を非常に悪質であるものと捉えています。
このことは過少に申告した場合に賦課される過少申告加算税よりも無申告加算税のほうが重いことからも容易にわかります。
また、加算税以上に恐ろしいのが延滞税です。
過少申告の場合には、延滞税は通常1年間が上限となりますが、無申告の場合には、1年という上限はなく、申告期限から、無申告が解消されるまで延滞税が課されることになります。
そのため、無申告状態の方の場合、本税以外に延滞税が重くのしかかってくることになるのです。
今回の事案では、住民税の申告を所得税の確定申告と勘違えて行っていたため、このことも争点の1つとなりました。
住民税の確定申告を行っていることは吉か凶か?
税務調査対応を行っていると、相談者の方が所得税の確定申告は行っていないが、住民税の申告を行っている場合があります。
国民健康保険との兼ね合いから行っている方が比較的多いように思われますが、この住民税の申告内容を意外に税務署は調べています。
この住民税の申告書に正しい状況が記載されていれば良いのですが、「収入なし」などの記載を行っている場合には仮装行為である旨を調査官から指摘される恐れがあります。
仮装行為認定されてしまうと重加算税の対象となり、更に重い負担が生じます。
今回の事案では、幸なことに数字自体は若干実態数字よりも少ない金額でしたが、収入なしなどの記載は行われていなかったこと、納税者が本当に所得税の確定申告と住民税の申告を混同していたことを調査官に何度も説明し、納得してもらえたことにより、重加算税の賦課は回避するに至りました。
対応策は?
今回の事例では、相談者の方にとっても、税金の種類を気にしたこともなく、きちんと申告を行っていたものだと思っていただけに、思わぬ形で多額の納税や延滞税を負担することになってしまいましたとおっしゃっていたのが印象的でした。
私自身も無申告状態は放置しておくと大変なことになることを改めて感じた事案となりました。