税務調査を円滑に終わらせるためにとても重要なことがあります。
それは「なぜ、あなたの申告書が選ばれたのか?」
ということをしっかり把握しておくことです。
この選ばれた理由がわからない場合、円滑な税務調査の終了は望めません。

選ばれたのには訳がある!?
よく税務調査が行われる割合を気にしている方がいますが、特に個人事業主の場合には無意味だと私は感じています。
なぜか?
それは税務調査が実施される確定申告書はほとんどの場合、選ばれるだけの理由があるからです。
税務調査の相談を受けていると、経験上、10件相談を受けた場合、8件は申告書を見ればわかります。
残り2件は申告書からはわかりませんが、恐らく税務署内部で持っている情報から間違いが疑われるものといったところです。

税務署が調査したい理由を把握しておく重要性
税務調査を早期に終わらせるためには、税務署の疑問(調査理由)に対する説明資料を用意しておくことが非常に重要です。
調査官は税務調査を実施するにあたり、申告書を事前に確認しており、どこをポイントとして調査を行うかを考えています。
特に若手の調査官の場合、部署の長である統括官から●●を調べてくるように指示を受けている場合が多いでしょう。そのように支持を受けた調査官は、その調査結果を統括官へ報告しなければなりません。調査官としても上司にしっかり報告する必要があるため、何としても調査するポイント(統括官からの指示事項)についの事実確認はしっかり行わなければ・・・・と思っているのです。
実際の調査事案のご紹介
納税者:個人事業者Tさん(建設業)
申告内容から税務調査に選ばれたと考えられる理由:売上に対して外注比率が高く所得金額が少ない。
本件については税務調査の相談時に確定申告を持ってきてもらい、内容を見せてもらいました。
その段階で、一般的な建設業に比べて外注比率が高く、売上に対して所得金額が少ない印象をもちました。
そこで調査立会い日までに外注費の内容確認を中心にしっかり説明できるように準備を行って頂きました。所得金額についても売上の割に少なくなる理由と生活費のバランスを確認し、調査時に説明出来るようにして頂きました。
実際の調査では、予想通り一般的な質問の後に外注費や所得金額について確認がされましたが、事前に作成していた説明資料を提出したところ、細かく質問は受けたものの、1日予定の調査が午前中で終了することになりました。その後、準備していた資料の確認のため税務署内部での手続きに少し時間はかかったものの、そのまま調査は終了となりました。
上記でご紹介したように調査官はあなたの申告書の中で必ず確認しないといけないポイントがあり、このポイントを臨場に説明出来るか否かが早期の税務調査終了のカギとなります。

スムーズに調査が終わらせるには調査理由をしっかり予測し、その調査理由に対する回答を事前にしっかり準備しておくことが非常に重要です。