税務署から税務調査の連絡があった場合、顧問税理士のいない個人事業主は、スポットで税理士の立ち会いを検討するケースが多いでしょう。
ただ、税理士に税務調査の対応を依頼すると結構なお金がかかります。

場合によっては追徴税額より税理士報酬のほうが高い場合さえあります。 そのため、人によってはスポットで税理士に税務調査対応を依頼すべきではない場合もあります。
本記事では、スポットでの税務調査に多数立ち会ってきた税理士としての経験から、「税理士の立ち会いは本当に必要か?」を客観的に検討します。
また、税務調査の立ち会いを数多く行ってきた経験から、私が仮に依頼する場合だったらどのような税理士に依頼するかもご紹介します。
記事自体は4分程度で読めます。
税理士立ち会いについて検討している方に読んでいただき、判断の一助にしていただければ嬉しいです。
税務調査の対応を税理士へ依頼した場合のメリットとデメリット
税務調査の対応を税理士に依頼する必要があるかどうかは、どのようなメリットとデメリットがあるかを理解しておく必要があります。

税務調査の対応を税理士に依頼するメリット
税務調査で納税者の代わりに矢面に立てる唯一の専門家が税理士です。
税理士へ税務調査対応を依頼すると以下のようなメリットがあります。

納税者の代理人となり調査官との交渉・やりとりを代行してくれる
税理士が代理人に付いていない場合、税務調査の内容によっては臨場調査後に何度も調査官と話し合いをしなければならないケースもあり、日々の仕事をこなしながら平日に何度も時間を取り、専門知識を有する調査官への対応を一人で行うことは想像以上にストレスがかかる作業となります。
税理士が代理人となった場合には、当日以外は調査官とのやり取りは代理人である税理士がほとんど行い、調査官からの専門的な質問にも対応してくれるため、精神的な負担が大きく軽減されます。
事前の対策・準備が可能
税務調査の事前連絡が来た後からサポートしてもらい、必要に応じ、調査官から指摘を受ける前に修正申告を行ったり、期限後申告を行うことによりダメージを最小限に食い止めてくれます。
不当な指摘に対して反論してくれる
調査官も納税者が相手だと法律的には言えないようなことも、修正させようとする場合があります。その点、税理士が立ち会っている場合には調査官の見解が不当な場合、法的な根拠をもって冷静かつ専門的に反論してもらえます。
税務調査のスムーズな進行による早期決着
税務調査は調査官が確認したいことが何であるかを把握し、調査官の疑問を解決することにより終わりが見えてきます。
税務調査に慣れた税理士は調査官の意図を把握し、納税者と調査官とのパイプ役としての役割を果たすため、税務調査が円滑になり、早期の決着が望めるようになります。
アフターケア(修正申告・再発防止策の提案)
税務調査終了後の納税や申告についても相談にのってくれるため非常に心強い存在となるでしょう。また税務調査後に業務依頼を行えば、再発防止策の提案なども行ってもらえます。
税務調査を税理士へ依頼する場合のデメリット
税理士であれば誰でも良いわけではなく、税務調査に慣れた税理士でないとあまり意味がありません。(税理士の中には税務署に言われたことすべてを受け入れようとする税理士もいるため注意しましょう。)
税務調査をスポットで行っている税理士は全体数から見て非常に少ないため、都心部は別として近隣に税務調査に慣れた税理士を見つけることが困難な場合もあるでしょう。

また、一番のデメリットは費用が掛かることです。
例えば、個人事業主で税務調査をスポットで依頼した場合、事前相談や打ち合わせ、調査立ち合いとその後の税務署との折衝などをすべてを含めると50万円~100万円はかかると考えておいたほうがよいでしょう。
税務調査の立ち会いを税理士に依頼すべきなのか?上手な利用方法とは?
税務調査立ち会いを依頼する場合には上記でお伝えしたとおり、メリットも非常に大きい分、結構な費用がかかります。 そのため、このメリットと費用負担が釣り合うかどうかにより、税務調査対応を税理士に依頼するか判断をすべきです。
税務調査対応を税理士に依頼しなくてもよいと思える場合
多額の費用をかけてまで税務調査対応を税理士へ依頼しなくてもよいと思える場合は以下のようなケースです。
ただし、以下のようなケースでも自分が気づかないうちに大きな間違いが潜んでいることもあるため心配な方は税務調査の経験が豊富な税理士に相談だけでもしたほうが良いでしょう。
- 過去に税務調査を受けて指摘事項がなかった方。
- 過去に税務調査を受けた指摘事項について是正されていて、その後の申告はしっかり行っている方
- 会計や税金の知識(自分が関係するものでOK)があり、しっかり申告をされている方
- 時間的ゆとりもあり、税務署との折衝も苦痛なく対処できる方
- 指摘されるべき箇所が既に分かっており、追加納税額が少額である方
税理士に税務調査対応を特に依頼したほうが良いと思われるケースとは?
以下のような場合には費用がかかっても依頼すべきだと思います。
- 無申告の方(予測される税額が多額になる場合が多い)
- 指摘されそうな箇所による追徴税額が多額になると思われる方
- 追徴税額の予測が全くつかない方
- 資料を紛失してしまっている方
このような場合には、税負担が非常に重くなることが予想されます。調査実施前に相談に行かれることを強くお勧めします。
上記以外の方は、依頼すべきかどうかを検討する前の段階で、まずは相談だけでもしてみると良いと思います。相談だけであれば費用が掛かっても少額で済むケースがほとんどです。
税理士によっては、調査前に調査対象年分の帳簿書類や申告書の中身を確認して指摘されそうなポイントを教えてくれたりします。

まとめ
無申告、過少申告、追徴課税が大きくなりそう
→税務調査前に税理士へ調査立ち合いを含めた依頼をすることを強くお勧め
初めての税務調査で不安はあるが、申告内容に自信あり
→事前相談だけでも受けておくと安心。
申告内容に自信がある方
→税理士の立ち会いは基本的には不要。(冷静な対応を)
税務調査に強く自分にあった税理士を選ぶ5つのポイント(★付き)
税務調査の対応依頼をする場合、どのような税理士を選べば良いかを知っておくことは非常に重要です。
以下ではスポットの税務調査対応を数多く行っている経験から考えてみました。
重要度合で★をつけています。


税務調査対応を多く行ってきた私の個人的な意見として税務調査対応を依頼する場合には以下の5つのポイントで税理士を探すと良いと思っています。
1 スポットで多くの税務調査対応をしている(顧問先の税務調査とスポットの税務調査では調査対応が大きく異なるため)【★★★】
2 事前打ち合わせや調査後のサポートもしっかり対応してくれそうな税理士(資料はラインやメールだけでやり取りを行い、面談も行わずに修正申告を出して当日だけ立ち会いをして終わりなどとして税理士も中にはいる・・・。)【★★★】
3 顧問契約をセット売りにしていない事務所(料金が安くなるようにみえるが調査後の見えない負担が重い場合も・・・?。ただ場合によっては必要なこともあるため焦らずによく検討。)【★】
4 料金が相場とかけ離れていないこと(事務所により料金が大きく異なります。税務調査の恐怖を必要以上に煽るような場合には一旦冷静になる必要があります。)【★★】
5 税理士事務所まで1時間以内(事前打ち合わせや税務調査後にもフォローをしてもらえるように近場の税理士事務所が良いでしょう。税務調査は当日以外にも税務署に行き折衝をする必要が生じる場合があります)【★~★★】
個人事業主に対する税務調査に関するお問い合わせ
税務調査対応に関しては専門知識が求められるため、個人で対応するには限界があります。税務調査に強く、スポットでの依頼に対応している税理士をお探しの方はご相談ください。
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ひらい税理士事務所
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